データサイエンスブーム到来?急増する大学のデータサイエンス教育の実態
近年、日本の大学教育において「データサイエンス」という言葉を目にする機会が急増しています。2017年に滋賀大学がデータサイエンス学部を設置して以降、多くの大学が同様の学部・学科を新設しており、2024年時点では30以上の大学がデータサイエンス関連の教育プログラムを提供しています。
しかし、名称は「データサイエンス」でも、実際のカリキュラム内容は大学によって大きく異なるのが現状です。
実践的なカリキュラムの例:
滋賀大学データサイエンス学部では、数理統計学の基礎から、Python・Rによるプログラミング実習、機械学習の実践まで、体系的なカリキュラムを展開しています。特に、企業との連携プロジェクトを通じて実データの分析経験を積める点が特徴的です。
横浜市立大学のデータサイエンス学部も、統計学とプログラミングの基礎を1年次から段階的に学び、3年次以降は実際のビジネス課題に取り組むPBL(課題解決型学習)を取り入れています。
一方で、課題も:
- 数理統計学の基礎が不十分なカリキュラム
- プログラミング実習の時間が限られている
- 実データを扱う機会が少ない
- 教員の確保が困難
といった問題を抱える大学も少なくありません。
実務で求められるデータサイエンティストのスキルセットは:
- 統計学・数学の基礎知識
- プログラミングスキル
- ビジネス課題の理解力
- データ分析・可視化能力
- コミュニケーション能力
これらをバランスよく身につけられるカリキュラムを提供できている大学は、実際にはまだ10校程度と言われています。
今後の展望:
データサイエンス教育の質を保証する認定制度の整備や、企業との連携強化など、実践的な教育プログラムの充実が期待されます。また、既存の理工系学部でもデータサイエンス教育を強化する動きが見られ、より多様な選択肢が生まれつつあります。
データサイエンス人材の需要は今後も拡大が予想されます。大学教育においては、単にトレンドに追従するのではなく、実務で活躍できる人材の育成を目指した本質的なカリキュラム設計が求められているのです。