日本の未来を守るために林業政策の積極的な取り組みが必要です

日本は今後林業政策に積極的に取り組む必要がある

近年、日本の林業は多くの課題に直面しています。森林資源は豊富であるにもかかわらず、林業の衰退が進み、持続可能な森林管理が難しくなっています。この状況を打破するため、日本は今後、林業政策に積極的に取り組む必要があります。以下に、その理由と具体的なデータを示しながら考えてみたいと想います。

1. 森林資源の現状と課題

日本は国土の約67%が森林で覆われており、これは世界でも有数の森林率です(林野庁、2021年)。しかし、そのうち約40%が人工林であり、適切な管理が行われなければ荒廃が進むリスクがあります。特に、戦後に植林されたスギやヒノキが伐採期を迎えているにもかかわらず、木材自給率は約40%程度(2020年)と低く、輸入材に依存している状況です。

さらに、林業従事者の高齢化と後継者不足が深刻です。林業就業者は1980年には約14.6万人でしたが、2020年には約4.5万人に減少しています(林野庁、2020年)。このままでは、森林の適切な維持管理が困難になり、国土の保全や災害防止にも悪影響を及ぼす可能性があります。

2. 林業の経済的ポテンシャル

林業は、適切に管理されれば持続可能な産業として大きな経済的ポテンシャルを秘めています。日本の木材市場は拡大しており、特に国産材の需要は増加傾向にあります。例えば、2020年の国産材の供給量は約2,800万立方メートルで、10年前と比べて約1.5倍に増加しています(林野庁、2021年)。

また、木材は建築材料としてだけでなく、バイオマスエネルギーとしても注目されています。再生可能エネルギー源としての木材利用は、脱炭素社会の実現に貢献する可能性があります。政府の「2050年カーボンニュートラル」目標を達成するためにも、林業の活性化は不可欠です。

3. 環境保全と災害防止

森林は、二酸化炭素の吸収源として気候変動対策に重要な役割を果たします。日本の森林は年間約4,600万トンの二酸化炭素を吸収しており(環境省、2020年)、これは日本の年間排出量の約4%に相当します。適切な森林管理は、温室効果ガスの削減に直接寄与します。

さらに、森林は土砂崩れや洪水などの自然災害を防止する役割も担っています。特に、中山間地域では森林の保全が地域の安全に直結しています。しかし、管理が行き届かない森林が増えると、災害リスクが高まるため、早急な対策が必要です。

4. 今後の政策提言

以上の課題を解決するため、以下のような政策が求められます。

  1. 林業従事者の育成と支援
    若年層や女性の林業就業を促進するため、研修制度の充実や就業支援を行う必要があります。また、林業の魅力を広く発信し、新たな人材を確保することが重要です。
  2. 木材利用の促進
    国産材の利用を拡大するため、公共建築物や住宅建設での国産材使用を義務付ける政策を強化すべきです。また、木材の新たな用途開発にも投資が必要です。
  3. 森林管理の効率化
    ドローンやICT技術を活用した森林管理の効率化を進め、コスト削減と生産性向上を図るべきです。これにより、小規模林家の経営改善にもつながります。
  4. 環境価値の評価
    森林の持つ環境価値(CO2吸収、生物多様性保全など)を経済的に評価し、企業や自治体が森林保全に投資しやすい仕組みを作るべきです。

おわりに

日本の林業は、適切な政策と投資によって再生可能な産業として大きく成長するポテンシャルを持っています。持続可能な森林管理は、経済的な利益だけでなく、環境保全や災害防止にも寄与します。政府、企業、地域社会が一体となって林業の活性化に取り組むことが、日本の未来にとって不可欠です。今こそ、林業政策に積極的に取り組むべき時です。