~税と社会保障の持続可能性の観点から~
2025年は、いわゆる「団塊の世代」が全て後期高齢者(75歳以上)となる節目の年です。この重要な転換点を迎えるにあたり、後期高齢者医療制度の現状と課題、そして今後の展望について考察してみたいと思います。
1. 現状認識
現在の後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を対象とした独立した医療保険制度として運営されています。制度の財源は、後期高齢者からの保険料(約1割)、現役世代からの支援金(約4割)、公費(約5割)で構成されています。
2025年には後期高齢者人口が約2,200万人に達すると予測されており、これは制度創設時の約1.5倍に相当します。この人口構造の変化は、制度の持続可能性に大きな課題を投げかけています。
2. 直面する課題
財政面での課題
- 医療費の増大:高齢者の増加に伴う医療費の自然増
- 現役世代の負担増:支援金の増加による現役世代の保険料負担の上昇
- 公費負担の増大:国・地方自治体の財政を圧迫
制度面での課題
- 世代間格差:現役世代と高齢者の間の負担と給付の不均衡
- 地域間格差:都市部と地方での医療サービスの質と量の差
- 高齢者の自己負担:所得に応じた負担の在り方
3. 持続可能な制度に向けた提言
短期的な対応策
- 負担の適正化
- 高所得高齢者の自己負担割合の見直し
- 保険料算定方式の再検討
- 現役世代の支援金の負担上限の設定
- 給付の効率化
- 重複受診・重複投薬の防止
- ジェネリック医薬品の使用促進
- ICTを活用した医療管理システムの導入
中長期的な改革案
- 財源構造の見直し
- 消費税の活用による安定財源の確保
- 世代間の負担の公平性を考慮した新たな財源構成
- 医療費適正化に向けた予防医療への投資
- 制度設計の刷新
- 年齢による区分から負担能力による区分への移行
- 地域包括ケアシステムとの連携強化
- 予防医療・健康増進施策との一体的な運用
4. 展望
2025年以降の後期高齢者医療制度は、単なる医療保険制度としてではなく、社会保障制度全体の中で再設計される必要があります。特に以下の点に注目が必要です:
- 世代間の支え合いの仕組みの再構築
- 予防医療の重視による医療費の適正化
- デジタル化による効率的な医療サービスの提供
- 地域特性に応じた柔軟な制度運用
高齢化のさらなる進展は避けられない現実ですが、これを社会の危機としてではなく、新たな制度設計の機会として捉え直す必要があります。持続可能な社会保障制度の構築に向けて、政府、医療機関、保険者、そして国民一人一人が知恵を出し合い、協力していくことが求められています。
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